診療科
変形性股関節症

図1:変形性股関節症(両側)のレントゲン像(当院症例)

図2:人工股関節置換術(当院症例)術後20日で杖なし歩行で退院。
股関節は太ももの付け根にあって、骨盤と下肢を結んでおり、骨盤側の屋根(臼蓋といいます)が、球形になった太ももの骨の付け根の部分(骨頭といいます)に覆い被さって体重を支えています。
変形性股関節症では、股関節の軟骨の働きが悪くなり、痛みや動きが悪くなるという症状が出ます。
日本人の場合、生まれつき骨盤側の屋根(臼蓋)による骨頭への覆いが十分でない状態(臼蓋形成不全)があって、年齢とともに症状が進行してくる二次性のものが多く見られます(図1)。
保存療法としては、股関節への負担を減らすための体重コントロール、筋力訓練、杖の使用や長距離歩行の制限などが行われます。
臼蓋形成不全に対しては、将来に変形性股関節症が進行するのを防ぐために、症状の少ない、あるいは出現していないうちに臼蓋の屋根を作る手術(寛骨臼回転骨切り術など)が行われます。専門性が高い手術ですが、当院では京都府立医科大学の専門スタッフと綿密に協力し、術後リハビリテーションも含めて最良の治療を行っています。
症状が進行してしまった場合には人工股関節置換術もよく行われています(図2)。